シーリング技術者・職人の業務

シーリング技術者は、実際の施工作業を行う現場のスペシャリストです。高い技術力と丁寧な作業が求められる職種であり、建物の品質を左右する重要な役割を担っています。

主な作業内容：

1. 既存シーリング材の撤去
改修工事の場合、まず古いシーリング材を専用のカッターで丁寧に撤去します。建材を傷つけないよう、慎重な作業が必要です。この工程の仕上がりが、次の作業の品質を左右します。

2. 下地処理・清掃
目地部分の汚れ、油分、旧シーリング材の残渣などを完全に除去します。ブラシやワイヤーブラシでの清掃、溶剤による脱脂など、徹底した下地処理を行います。この工程が接着性を決定する最重要ポイントです。

3. 養生作業
シーリング材が付着してはいけない部分にマスキングテープを貼り、丁寧に養生します。仕上がりの美しさを左右する重要な作業です。

4. プライマー塗布
接着性を高めるため、下塗り材（プライマー）を均一に塗布します。材質に応じた適切なプライマーを選定し、ムラなく塗ることが求められます。

5. バックアップ材の設置
目地の深さを調整し、3面接着を防ぐため、発泡ポリエチレン製のバックアップ材を設置します。目地の形状に応じた適切なサイズを選定する技術が必要です。

6. シーリング材の充填
コーキングガンを使用して、シーリング材を目地に充填します。気泡が入らないよう、均一な圧力で充填する技術が求められます。これがシーリング工事の中核となる作業です。

7. ヘラ押さえ・仕上げ
専用のヘラを使用して、シーリング材を目地にしっかりと押さえ込み、表面を平滑に仕上げます。美しい仕上がりと確実な接着を両立させる熟練の技術です。

8. 養生撤去・清掃
シーリング材が固まる前にマスキングテープを撤去し、周辺を清掃します。タイミングを見極める経験が必要です。

これらの工程を、外壁、窓周り、屋根、浴室など、様々な部位で実施します。一つ一つの作業は地道ですが、建物の品質を支える重要な技術です。

施工管理職の業務

施工管理職は、シーリング工事全体の進行管理を担当します。現場での作業を直接行うのではなく、プロジェクト全体を統括する役割です。

具体的には、工程管理、品質管理、安全管理、原価管理を通じて、工事を成功に導きます。工事スケジュールの作成、品質チェック、安全対策の立案、顧客や元請け業者との調整など、多岐にわたる業務を担当します。

また、気象条件の判断も重要な業務です。シーリング材は気温や湿度に敏感なため、施工可能な条件を見極め、適切に工程を調整する必要があります。

営業・見積もり担当の業務

営業職は、顧客からの問い合わせ対応、現場調査、見積もり作成、契約業務を担当します。シーリング工事の知識と、顧客のニーズを理解するコミュニケーション能力が求められます。

現場調査では、建物の状態を確認し、劣化の程度を診断します。この診断に基づいて適切な施工方法と見積もりを提案するため、技術的な知識も必要です。